アロマセラピーの歴史 20世紀
ルネ・モーリス・ガットフォッセ
化粧品の研究をしていたフランス人化学者、ルネ・モーリス・ガットフォッセが、実験中に負った火傷の治療にラベンダー油を用い、その効き目に注目したことから、精油の研究がはじまりました。
現在使われている「アロマテラピー」という用語は彼が1928年に造語したものです。
そして1937年、同名の著書を出版し、精油の療法の研究が盛んになされることになったのです。
ジャン・バルネ博士
フランスの軍医だったジャン・バルネ博士は、第2次世界大戦中とその後インドシナ戦争のに、精油を用いた薬剤を使用して負傷兵を治療しました。
また、後には精神病院でも精油を用いた治療により効果をあげています。
1964年に出版された彼の著書『ジャン・バルネ博士の植物=芳香療法』は第一線で実践し、活躍した外科医のものとしてアロマテラピーの啓蒙に役立ちました。
パラオ・ロベスティ
ミラノの植物誘導体研究所長のパラオ・ロベスティ教授は、イタリアにある柑橘類(オレンジ、ベルガモット、レモンなど)から抽出した精油を用いて、香りが神経症や鬱病、抑うつ感からの解放に効果があることを証明しました。
この実験は香りの精神的、心理的な効果の研究として有名です。
マルグリット・モーリー
フランスで展開された医学的アプローチによるアロマテラピーとは若干異なり、精油をマッサージと組み合わせたホリスティック療法として広めたのはモーリー夫人です。
オーストリア出身の生化学者、マルグリット・モーリーは、東洋の伝統的医学や哲学を研究し、精油を稀釈して塗るというマッサージ技術を示しました。
ホリスティック療法とは、身体的トラブルをアンバランスとして捉え、心を含めた包括的、全体的にそのバランスを整える方法です。
また彼女は、一人一人への個人的な処方という考え方も提案しています。
彼女の研究は美容の国際的な賞で表彰され、また、著作が英訳されてイギリスのアロマテラピーに多大な影響を与えました。
ロバート・ティスランド
イギリスのアロマテラピーの研究者、ロバート・ティスランドは広く世間にアロマテラピーを普及させました。
1978年の著作『アロマテラピー(芳香療法)の理論と実際』の中で、彼は古典的な植物療法や歴史、精油の治療特性や処方などをまとめています。
また、アロマテラピースクールの開設、協会の設立などにも関わりました。
日本へ
1980年代よりアロマテラピーに関する翻訳本が現れはじめました。
マスコミで紹介される機会も増え、ナチュラル志向、ファッション性が取り上げられ知名度を高めました。
しかし、さまざまな書物によって内容が異なっていたり、精油に対する品質基準がない(日本では雑貨として取り扱われており、医薬品のような規定がない)ために、混乱が起こったりしました。
そうしたことから、アロマテラピーの正しい知識の普及、教育を目的とした協会や、医療従事者による学会が設立され、啓蒙や研究が行われています。
参考文献
- 『改訂増補 アロマテラピー事典』 フレグランスジャーナル社
- 『クリスティーン・ワイルドウッドのアロマテラピーマッサージ』 フレグランスジャーナル社
- 『香りでいきいきアロマテラピー』 誠文堂新光社
- 『アロマテラピー検定テキスト2級』 日本アロマテラピー協会
- 『メディカルハーブ』 日本ヴォーグ社
